2010/07/03

Enantioselective Oxidative Cross-Coupling Reaction of 3-Indolylmethyl CH Bonds with 1,3-Dicarbonyls

Chang Guo, Jin Song, Shi-Wei Luo, Liu-Zhu Gong, Prof. *
10.1002/anie.201002108

C-H活性化反応の中でも、ハロゲン化など基質の事前活性化を必要としない酸化的カップリング反応は、酸化剤由来の廃棄物が生成するとはいえ、より好ましいプロセスだと考えられている。本報告は3-ベンジルインドールのベンジル位とマロネートなどの1,3-ジカルボニル化合物との触媒的不斉炭素ー炭素結合形成反応に関するものだ。

マロネートを用いた触媒的不斉反応は非常に多くの例が報告されており、著者らもそれらの例を参考に銅(II)-BOX錯体を用いて検討を始めたようだ。定法に従い、マロネートエステル部位、中心金属、配位子置換基、反応温度などを検討し、さらに溶媒に関して細かく最適化を行ったところ収率、不斉収率ともに高い値で目的物を得る条件を見いだすことに成功した。インドールの芳香環上の置換基ではあまり検討されていないが、3位の置換基として酸化条件に弱そうに思えるメチレンジオキシ部位を有するものも高収率で目的物を与えているのが注目点だろうか。



近年オキシインドールを求核剤とした不斉反応が多数報告されているが、本反応の成績体も数ステップを経ることでオキシインドール体へと変換可能だ。この化合物はオキシインドールのシンナム酸エステルへの1,4-付加体に相当するが、このタイプの反応は未だ報告されていないとのことだ。

反応機構としてはいくつかの中間体が考えられるが、インドール窒素から共役したイミニウムカチオン型の活性種に対するキラルエノラートの付加が妥当という結果を計算により得ている。

折角インドールを用いた反応を行っているのに、アプリケーションが全てオキシインドールに関するものなのが少し残念な印象を受けた。

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