2010/12/22

Copper-Catalyzed Direct Sulfoximination of Azoles and Polyfluoroarenes under Ambient Conditions

Mitsuru Miyasaka, Koji Hirano, Tetsuya Satoh, Rafal Kowalczyk, Carsten Bolm*, and Masahiro Miura*
Org. Lett., DOI: 10.1021/ol102844q

スルホキシイミンは配位子としてだけでなく、医薬品・農薬への導入も興味を持たれている部分構造である。本報告では、スルホキシイミンと、酸性度の比較的高いヘテロアリールおよびフルオロベンゼンを用いたダイレクトアリーレーションにより炭素-窒素結合を形成している。

2-フェニル-1,3,4-オキサジアゾールを用いて条件検討を行ったところ、酢酸銅(II)を触媒、K3PO4を塩基とし、空気雰囲気下、DMF中、室温にて良好な収率でカップリング体が得られることを見いだした。この種の反応は高温を必要とすることが多いことから、室温で進行する点は本方法論の特長のひとつといえる。また窒素雰囲気下では酢酸銅(II)を量論量用いた場合でもほとんど反応が進行しないことから、空気中の酸素が何らかの作用により反応を加速していることが示唆されている。


最適条件下、各種基質において反応を試みたところ、フェニル基の置換基は電子吸引基、電子供与基いずれの場合も良好な収率で目的物を与えた。また置換機としてアルキル基も許容されている。さらにスルホキシイミン側の一般性としては数は少ないもののジアリール、ジアルキル、アリールアルキルと一通りの置換パターンは示されている。他のヘテロアリール型の基質としてはベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールが示されている他、ペンタフルオロベンゼンやテトラフルオロピリジンなど電子密度を下げた基質では反応が進行する。
スルホキシイミンは硫黄原子に不斉点を導入可能な点が魅力の一つであるが、室温条件で温和に進行する本方法論では不斉収率を損なうことなく、キラルスルホキシイミンを得ている。

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