2010/05/19

Development of Binaphthyl-Based Chiral Dienes for Rhodium(I)-Catalyzed Asymmetric Arylation

Ziping Cao and Haifeng Du*
DOI: 10.1021/ol1008087

キラルジエン型配位子といえば、本論文の導入部にも記載があるように林先生とCarreiraの研究が先駆的だ。これらを始めとするジエン型配位子は構造的に強固であるものが多いが、著者らはオレフィン部位に柔軟性を持たした配位子を用いた研究を展開しており、本論文は母骨格としてビナフチル骨格を用いた配位子の不斉反応への適応例である。

モデル反応としては、ロジウム触媒によるアリールボロン酸のスルホニルアルドイミンへの付加を選択している。率直に言って、収率、不斉収率とも改善の余地を残しているが、活性化基であるスルホンアミドを高収率で除去できることを示している点が個人的にはポイントが高い。ジメチルアミノ基のついた少し特殊なタイプの官能基だからこそ、こういった点は評価できる。



不斉収率の向上には、例えば3,3'位の修飾だけでなく、6,6'位に置換基を導入することで何らかの向上が見られる可能性もあるだろう。
本論文は反応開発という点では特筆すべき点はないものの、柔軟性を有するジエン型配位子というコンセプトが意外であったのでとりあげてみた。既存の考えに固まって見てしまうと、あまり不斉収率が出るような気がしないデザインであるが、こういった殻を破ってみる発想と実行力も大事なんだろう。

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