2010/05/11

General Method for Synthesis of 2-Heterocyclic N-Methyliminodiacetic Acid Boronates

Graham R. Dick, David M. Knapp, Eric P. Gillis and Martin D. Burke*
DOI: 10.1021/ol100671v

鈴木カップリングは反応の信頼性、適応可能基質の広範さ、反応操作の容易さなどから、今や有機合成においてなくてはならない反応だと言えるだろう。しかしながら、基質によっては対応するホウ酸誘導体を調製することが難しいものが存在することも事実である。
本報告では最近注目を集めているMIDAボロネートを用いることで、不安定と知られている2ーピリジンホウ酸誘導体を合成することが可能となったというものだ。

以前にも取りあげたようにMIDAボロネートは空気中で安定でカラム生成が可能など既存の化合物よりも取り扱いが容易であることから、アルドリッチ社も提供種類を増やすなど、注目を集めているタイプの試薬だ。最近のJACSでも本試薬を用いた鈴木カップリングを鍵とした全合成を報告するなど応用例も蓄積されつつある。

実際にはボロネートを調製する際に中間体として汎用されるリチウムトリイソプロピルボレートに対してMIDAを作用させることで対応するMIDAボロネートを合成している。2−ブロモピリジンを基質とした検討の際に、1) 60℃程度の温度では収率が10%程度であり、副生成物としてピリジンが得られてきたこと、2) 2-ピリジルのMIDAボロネートはDMSO中で130℃でも安定であること、の2点から分解反応はMIDA錯体形成前に起こっていることが示唆された。そこで反応を高温にすることで錯体形成を促進させることを試みたところ、収率が約6割にまで大幅に改善された。



他の基質として電子吸引基や供与基を4,5,6位に有する2-ブロモピリジンでも中程度から良好な収率で対応するMIDAボロネートを得ることに成功している。特に2,6-ジブロモピリジンのような基質でモノMIDA化に成功していることから、鈴木カップリング後のさらなる官能基導入が容易にできそうである。また初期検討の結果ではあるもののピリジン以外にもチアゾールやピラジンなど他のヘテロ芳香族でもMIDAボロネートを得ることに成功しているのは期待できる結果だろう。

原料となるMIDA自体も安価な原料から数百グラムスケールで調製可能となっており、今後ますます応用例が蓄積されていくと思われるし、チェックしておくべき化学だと言えるだろう。

参考)
上述の全合成の紹介記事(化学者のつぶやき)

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