2010/04/06

(2-Nitrophenyl)acetyl: A New, Selectively Removable Hydroxyl Protecting Group

Katalin Daragics and Pter Fgedi*
DOI: 10.1021/ol100562f

他の保護基を除去する条件で安定で、異なる温和な条件にて除去可能な保護基の開発とそのような知識のストックは、合成戦略を考える上で重要である。本論文はアルコールのアシル基系保護基でありながら、亜鉛粉末による還元的条件にて除去可能という保護基を報告している。
そのコンセプトは下図のように、オルト置換のニトロ基を還元することで分子内ラクタム化が起こり、アルコールが遊離する。非常にうまく設計されている。因みに亜鉛粉末だけでは反応が遅く、塩化アンモニウムだけでは進行しないとのこと。



保護基をつけるには、酸クロライド、酸無水物やエステルによるアシル化、カルボン酸との縮合、光延反応など通常エステルを合成する方法論が使用可能であり、いずれも高収率で目的物を得ている。
糖類を用いて選択的脱保護の検討を、2,3,4,6位に(2-ニトロフェニル)アセチル基をつけた各々の基質で行っている。ベンジル、ベンゾイル、アセチル、Fmoc、MPM、シリル基など様々な保護基に影響なく選択的に除去可能となっている(アセチル基は転位が見られ若干収率が低いが、これは基質由来の性質)。
また2位にアセチル基を導入した糖供与体を用いたグリコシデーションは、アセチル基による隣接期関与によりβ体が得られるが、本保護基を用いた場合にもβ体が得られており、アセチル基同様の隣接期関与を介していると示唆される。

このようなシンプルな保護基の設計は見てしまえばなるほどと思うけれど、実際に自分で思いつくのは難しい。分子をデザインする力というのは有機化学者にとっては大事な能力で、勉強になりますね。

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