2010/04/09

Iron-Catalyzed C−C Bond Formation at α-Position of Aliphatic Amines

Naohiko Yoshikai†, Adam Mieczkowski, Arimasa Matsumoto, Laurean Ilies and Eiichi Nakamura*
DOI: 10.1021/ja100651t

本反応は脂肪族アミンのα位にアリール基をラジカル的に導入する反応である。鉄触媒を用いたPh2Znとヨードトルエンとのクロスカップリングを検討中に、溶媒として用いていたTHFの酸素α位にフェニル基が導入された副生成物を単離してきたことから本研究が始まったらしい。ヘテロ原子のα位はラジカルが生じやすく、この反応を検討するにあたっては様々な系が考えられるが、著者らが選択したのは脂肪族3級アミンのα位アリール化である。

想定した反応機構は、ヨードトルエンから還元的にアリールラジカルが生成しTHFの酸素α位から水素を引き抜く。生じたアルキルラジカルがフェニルアニオンと反応し、副生成物を与えるというものだ。この想定に沿って、分子内にヨードフェニル部位を有する基質を設計して、分子内ラジカル移動が起こるように反応を設計したところ、期待通りにアリールグリニャール試薬やジアリール亜鉛試薬との反応が進行することが明らかとなった。
基質としては環状アミンのみならず、非環状アミンでも良好な収率で生成物が得られているが、アニリン系の基質では低収率にとどまっている。



筆者らは重水素ラベル化実験を行って、1) 1,5-水素移動は分子内で起こること、2) 同位体効果が見られないことから、水素移動は律速段階ではないこと、を明らかにした。

このように副生成物の単離から始まる反応探索というのは、研究の醍醐味の一つだなと改めて感じた。これを読んで、亜鉛+ラジカル+副反応から始まったというキーワードから、富岡先生のジアルキル亜鉛のラジカル反応を思い出した。

参考)
富岡研究室

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