Yanchuan Zhao, Weizhou Huang, Lingui Zhu and Jinbo Hu
DOI: 10.1021/ol100090r
フッ素という原子は立体的に小さいながらも最強の電気陰性度を持っており、分子内に導入することで不思議な反応性を示すことが多い。これはマテリアルから医薬品まで共通であり、それゆえ企業人はフッ素化反応の類はチェックしていることが多い。
本報告は、カルボニル基をアリールスルフォンを用いてオレフィン化する、ジュリア反応の変法としてgem-ジフルオロオレフィンを合成する反応である。
筆者らはすでにジフルオロメチルスルフォン型の分子として二つのタイプを報告しており、今回で3つ目を報告することになる。
適応基質は多くの芳香族アルデヒド/ケトンでは良好な収率を示しているが、エノラート化する基質に対しては収率が低下する傾向が見られている。
反応機構に関しては、Smiles転位を経るタイプの一般的な機構が提唱されているが、特筆すべきは生じるはずの中間体アニオンをヨウ化メチルでトラップすることに成功している点だろう。このように中間体の存在を可視化することで推定反応機構の信憑性が大幅に高まる。
参考)
・東京化成フッ素化試薬
・ジュリア反応
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