2010/03/24

The Productive Merger of Iodonium Salts and Organocatalysis

Anna E. Allen and David W. C. MacMillan
DOI: 10.1021/ja100748y

トリフルオロメチル基は脂溶性の増大をはじめ、その電子吸引性の大きさに起因する活性の増大など、産業的にも重要な置換基であり、その立体選択的な導入法の開発は需要が大きい。
本報告はTogni試薬という3価ヨウ素試薬とMacMillanらの有機分子触媒を用いることで立体選択的にトリフルオロメチル基の導入に成功している。
ルイス酸によるTogni試薬の開環がキーコンセプトであるが、生じるαートリフルオロメチルアルデヒドは原料のアルデヒドよりもはるかにラセミ化しやすいため、ルイス酸の選択が鍵となることが予想される。実際、種々ルイス酸を検討しており塩化銅(I)という酸素親和性はかなり低いルイス酸が選択されている。また塩化鉄(II)にtert-アミルアルコールを添加することでもeeの低下を防ぐことができることも見いだしており、生成物をアセタール化しているのだろうと考察している。



基質一般性はアダマンチルがついていても7割で目的物が取れており、立体的な許容性はありそうだ。またβ位に不斉点を有する基質にて反応を行っているが、>95:5の選択性で触媒制御により反応が進行する模様。いずれの基質においてもeeは極めて高い。
本反応は実質的にはCF3カチオン等価体の利用によるαートリフルオロメチル化であり、今後この論文を見て参入してくるグループがいっぱいあるのかなあと思ってしまう。

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