Hiroyuki Osajima, Hideto Fujiwara, Kentaro Okano, Hidetoshi Tokuyama, and Tohru Fukuyama
Organic Syntheses, Vol. 86, p.130 (2009).
保護基というのは最終的にはいらないものなので、できることなら使いたくないものだ。しかし、多段階の合成を行ううえではそうも言っていられないことも多い。
保護基にもとめられるものは、1)容易に保護可能、2)種々条件に安定、3)容易に除去可能、と矛盾を含んだものである。また同じような保護基でも酸性、塩基性、酸化的、還元的、と色々な条件で除去可能なものがチョイス可能であると合成戦略を立てる上では嬉しい。
本論分では、1,2-ジオールの保護基として、塩基性条件にて除去可能なベンジリデンアセタールを報告している。ベンジリデンアセタールは通常プロトン酸、ルイス酸条件にて除去される。またp-メトキシベンジリデンアセタールはDDQを用いた緩和な酸化条件にて除去可能である。本報告ではこれらに続いて、第3の選択肢としてのベンジリデンアセタールについて記していることになる。
脱保護条件の温和性や、保護・脱保護工程での収率は高いものの、試薬の合成に量論量のTBS-Clが必要な点など、「グリーン」さは足りないかもしれない。いずれにせよ、頭の片隅にいれておくとよいんじゃないだろうか。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿